【書評】女子をこじらせて

書評という名の読書感想文シリーズです。

あれだけ、いろんなものを拗らせてる私だったのに、実は大元になっているこの書籍読んだことなかったんですよ。それは本書の装丁による偏見からくるもので、通勤の途中に持ち歩けるようなデザインではないと思っていたからなのだけど、電子書籍とはとても便利なアイテムで表紙なんかお構いなしに携帯やPCで好きな本を好きなだけ読むことができるのですって何を今更な内容を書いておきます。

著者の雨宮まみさんはもう他界されていて、どんなに頑張っても直接お目にかかって著書に書かれていることの真相や裏側のことを聞くことはもうできないのだが言わせてほしい。幼少期から思春期、大人になってからもあれだけ狂気ともいえる文章で表現するほどに拗らせてる割に画像検索で見る近影は美しい方で正直驚きました。特定の記述の箇所は本気で目をそむけたくなる読み飛ばしたくなるぐらいの狂気に近い叫びが含まれていて、回顧録的な状況でそれを搾りだして書き連ねた著者もかなりいろんなものを削ってるんじゃないかと推測しました。

正直なところ、あたしの拗らせているものなんて著者ほど思い詰めているものではないし、自分で乗り越えられないほどの深刻な何かというわけでもない。

それを悟るきっかけになったのが本書だと思う。

 

これを読むきっかけになったのは、最近知人の叫びで仕事に性別なんて関係ないじゃないという内容があって、自分でも思うことがあったからです。

仕事に性別からなんで女子をこじらせてになるのかというのは私の頭の中のリンクポインタの挙動が想像つかないレベルなのが起因だったりします。

自分の回顧録になるけど、女性を全面的に出した媚が嫌いになったきっかけは、小学3年生ぐらいの頃に終わりの会の当番だったMちゃんの間違いを指摘したら泣かれてしまったことだったりします。間違ったMちゃんが泣き出したことにより、間違いを指摘したあたしが悪者になるという構図でその後の人生に於いて数回経験している自己正当性を涙で訴える女というものの片鱗をはじめて経験した出来事でした。

本書では著者がこのような媚を活用できる性格ではないことで苦しみもがいている姿があり共感できましたが、理解できない内容もいくつかあり面白かったです。

性差なく比較的平等に扱われるのはいいとこ中高生までじゃないかと私は思っています。

大学では私は女性が少ない学部にいたので、女であるだけで目立つ存在であることに慣れてしまっていました。女性の多い学校の出身者にわかるように説明すると、学科の授業のほぼすべてにおいて女性の学生は個として認識されており、代返はおろか下手すると家庭事情(出身地や自宅生かどうか、部活やバイト、私の場合は実家から徒歩で通える学校だったので母親との買い物時にインスタントコーヒー銘柄で会話したこと)までいろんな人に知られているのですよ。

逆に便宜をはかってもらい先生の知り合いの家庭教師を直接依頼されることもありました。(当時、家庭教師は協会経由だと搾取されるバイトの典型だったので。)

今でも笑い話として語り継がれているのだが、卒論の提出時に私は帯状疱疹(水疱瘡。相当当時は繊細で弱っていたんだと思う。)を患ってしまっており、提出順とレビュー順序が逆転してしまったことを女性だから優遇されたと同級生が思っていたということもありました。

なので女性であることとそこに紐づくアンフェアな処遇(優遇だけではないので、処遇とあえて書く)に関しては、小娘ながらに体感的に悟り始めたのだと思う。

どの本に出てきたフレーズだったか思い出せないんだけど、新井素子の星へ行く船シリーズで麻子さんというキャラクターが主人公に言うセリフがあって「あたし、お茶くみのプロなの」っていうサイドストーリーが表現していた女性ならではとか女性だからこそできることを極めたいっていう話が結構好きで、どうせなくすことなどできない性差なんだから自分にしかできないことをやろうという考えになってきたのでした。

とはいえ、女性カテゴリでひとくくりにされるのはやはり好きではないです。色々矛盾してる?というわけではなくて、ここは許容できるけどここは出来ないというものです。

本書にもあるのだけど、美人とか女性とかっていうタグ付けによってまじめにやっている人が積み重ねてきたものが無駄になる効果というものはやはりあると思います。

仕事に性別なんて関係ないと理性では思っていても、世の中に性差をうまく利用して媚て甘えることで便宜を享受する存在が蔓延る限りは、まじめにやって積み重ねてきている方が正当に評価されづらいというサイクルは消えてなくならないでしょう。

本書は拗らせてた私にとって、読み返したいとは思わないが一度は読んでおきたかった本という感じでした。

 

一応、リンクはってっておきます。

女子をこじらせて

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