【書評】君の膵臓をたべたい

書評という名の読書感想文です。

この本を読んでいる最中にKindleをなくしてしまい、慌てて注文したものはファームが古くSyncしてくれないという読了した本の中で私史上最高に若干波乱万丈な状態でしたが、流れるように読了完了です。

タイトルがユニークだったので以前から気になっていたのだけど、映画が公開されたと聞いて、天邪鬼な性格の私は原作を読みたくなってしまいました。

こちらは原作を読んでおいてよかったと思う一作。文字表現でなければできない、ニュアンスの違いや登場人物の心理の遷移が表現されている。敢えて既視感を煽るような文章表現もかなりトリッキーでいいと思った。

後で映画版の登場人物や演出を見てさらに確信した。これは、似て非なるものだ。

文章の表現やリズムはとても心地よく読み進むのが容易であったのだけど、これまであまり見たことのない「ねめつける」という表現が数か所でていて少し印象的だった。

主人公の素直じゃないけど自覚のない、それでもって書籍を多読しているから無意識に好んでつかう言葉遊びのやりとりがとても楽しく、具体的な地名が書かれていないが、博多と大宰府がなにげなく聖地だったりもして。描写がとてもリアリティに富んでて梅が枝餅が食べたくなってしまうほどで、深夜だったので困った。

後半はいろいろあって、ネタバレせずに書くのが難しいけれど水分をとりつつ、涙を拭く準備をして臨んだほうがいいとだけ言っておく。

最後に私はホルモンや肉が好きだが、決してそういう病気ではないということだけ宣言しておこう。

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【書評】塩の街

書評という名の読書感想文シリーズです。この本は何度目かな。思い出せないほど繰り返し読んでいる気がするけど、有川浩の作品は早く電子化が望まれるなと思っている。

夏も終わりに近づいて、断捨離がてら古本屋に行って査定を待っている間になんだか読みたくなって読み始めたら終わらなくて結局買って帰って読み明かしたというものです。

自衛隊3部作の1作目の話で、突拍子もないSFラノベっていうのがぴったりなのかな。

読みやすい文体はこの時からで、映像化できるだろうなって思う内容である。

ほかの本も読んでくとわかってくるのだけど、有川浩の作品には年上で不器用な男性+年下で悩む女性ってカップルと、強めの(でも本当は弱い)女性+優しい男性ってカップルがよく登場するのだけど、本作品も例外じゃない。

思いが重いストーリーがいくつか重なってて、それでも主役のカップルは世界なんかどうでもいいと言ってのける一大恋愛をやってのけるのである。

そういうきゅんきゅんくるストーリーと、わきを固める強いサブキャラがなんともいい味を出してて読みやすくて好きな世界です。

 

それにしても、潜水艦乗りで独身な殿方。私なら待てます(っていうかべったりいないほうが嬉しいタイプ)のでぜひご連絡をお待ちしておりますw

 

よろしければ下のリンクからどうぞ。

塩の街 有川浩

【書評】語彙力がないまま社会人になってしまった人へ

書評という名の読書感想文シリーズです。この本を買おうと思ったきっかけは、結構のんびり切実な背景があります。私はシェルマガに寄稿してるにも関わらず英語はおろか日本語のセンスというか語彙力が無いなと。過去に、パワハラめいた上司の下で働いていた時にも、仕事仲間に話している語彙が気に入らないといわれたことがあって、さすがに相手がタメ口のスラングで話しかけてきているのに私が敬語の文語を使うのも変ですよね?って思ったこともあったりなかったりですが(要するにその人は男尊女卑だっただけなんですけどね。)

さておき、すでに小娘ではない妙齢のOLとしては、どのような日本語の語彙チョイスがより自分を賢く魅せるのかとか日々悩むわけです。(見せるではなく魅せるですよ?テストに出ますw)

そんな時にどこかで知ったかKindleセールで入手したかともかく積んであった書籍のひとつとして本書はありました。

本書はシチュエーション別に章立てされており、様々な目的に対して使い分けができるとより賢く見せるための語彙が用例や本来の意味、成り立ちとともに紹介されている。

全部が全部覚えきれるものでは到底ないが、普段から使用している語彙も含まれているためすんなりと頭に入ってくる(が、すぐに出ていくかもしれない。)

後半に出てくる小難しい語彙は日常生活で使用するとむしろますます何かを拗らせる気がしますが、使えそうなものは覚えていって利用しようと思いました。

【書評】キスの先までサクサク書ける! 乙女系ノベル創作講座 (ジュエルブックス)


誤解されそうなんであらかじめ書いておくと、お恥ずかしながら私は乙女系ノベルというジャンルを知らなかった。先日、TechPub というイベントの折、最近寄稿させていただいているシェルマガことシェルスクリプトマガジンの編集さんが携わったということで興味津々でお借りして読んだだけなんだ。決してそういうジャンルの小説が書きたいと思ったわけじゃない。ということだけ断っておく。(言い訳がましいし、動揺がうかがい知れる)

小説のジャンルならSFでも日本文学でも好きだが、結構読んでいる本はいろいろなジャンルに富んでいる…と思っていたが、このジャンルは全くノーマークでした。更に言うと私はハーレクインも官能小説もなぜあれらがコンスタントに売れるのか理解できていなかった。

特にハーレクインは毎月新刊を予約している人までいたので、中に何が書かれているのかどうしてペーパーバックの普通の文庫や新書とは異なる装丁だったのか全く理解できなかった。

 

それにしても、私が書店員だった学生時代はかろうじてラノベやBLが新しいジャンルとして登場してきていたところだったのだけど、このジャンルはおそらく存在しなかったものでかなり新しいものにあたる。

本書は読み進みやすい分析モデルとなっており、いかに下記の要点で書けばよいのかというのを売れるものをつくるということを生業としている編集の目線で描かれている。

・ストーリーのプロットを組み立てるか

・盛り上がりをどこに持ってくるか

・前提条件をどうするか

・(言及しづらい)アダルトな部分をどう描写するか

 

これらをとってみても、本書が乙女系ノベルのみならず’売るための’商用書籍全般に言えることが描かれている。

要するに買う人が知りたいことを知りたい演出でということなのだが、それが一番難しいということは言うまでもない。

と、難しいこと書いてしまったが、本書はためになる内容が多数含まれているので、一読の価値があるといえる。

 

そして、後半は宣伝。

そんな私が寄稿しているシェルスクリプトマガジンの最新号が発売されました。今回はWSL ではなく SQL Server 2017 on Linux の話をゆるふわに書いています。

ご興味があればぜひ。

【書評】女子をこじらせて

書評という名の読書感想文シリーズです。

あれだけ、いろんなものを拗らせてる私だったのに、実は大元になっているこの書籍読んだことなかったんですよ。それは本書の装丁による偏見からくるもので、通勤の途中に持ち歩けるようなデザインではないと思っていたからなのだけど、電子書籍とはとても便利なアイテムで表紙なんかお構いなしに携帯やPCで好きな本を好きなだけ読むことができるのですって何を今更な内容を書いておきます。

著者の雨宮まみさんはもう他界されていて、どんなに頑張っても直接お目にかかって著書に書かれていることの真相や裏側のことを聞くことはもうできないのだが言わせてほしい。幼少期から思春期、大人になってからもあれだけ狂気ともいえる文章で表現するほどに拗らせてる割に画像検索で見る近影は美しい方で正直驚きました。特定の記述の箇所は本気で目をそむけたくなる読み飛ばしたくなるぐらいの狂気に近い叫びが含まれていて、回顧録的な状況でそれを搾りだして書き連ねた著者もかなりいろんなものを削ってるんじゃないかと推測しました。

正直なところ、あたしの拗らせているものなんて著者ほど思い詰めているものではないし、自分で乗り越えられないほどの深刻な何かというわけでもない。

それを悟るきっかけになったのが本書だと思う。

 

これを読むきっかけになったのは、最近知人の叫びで仕事に性別なんて関係ないじゃないという内容があって、自分でも思うことがあったからです。

仕事に性別からなんで女子をこじらせてになるのかというのは私の頭の中のリンクポインタの挙動が想像つかないレベルなのが起因だったりします。

自分の回顧録になるけど、女性を全面的に出した媚が嫌いになったきっかけは、小学3年生ぐらいの頃に終わりの会の当番だったMちゃんの間違いを指摘したら泣かれてしまったことだったりします。間違ったMちゃんが泣き出したことにより、間違いを指摘したあたしが悪者になるという構図でその後の人生に於いて数回経験している自己正当性を涙で訴える女というものの片鱗をはじめて経験した出来事でした。

本書では著者がこのような媚を活用できる性格ではないことで苦しみもがいている姿があり共感できましたが、理解できない内容もいくつかあり面白かったです。

性差なく比較的平等に扱われるのはいいとこ中高生までじゃないかと私は思っています。

大学では私は女性が少ない学部にいたので、女であるだけで目立つ存在であることに慣れてしまっていました。女性の多い学校の出身者にわかるように説明すると、学科の授業のほぼすべてにおいて女性の学生は個として認識されており、代返はおろか下手すると家庭事情(出身地や自宅生かどうか、部活やバイト、私の場合は実家から徒歩で通える学校だったので母親との買い物時にインスタントコーヒー銘柄で会話したこと)までいろんな人に知られているのですよ。

逆に便宜をはかってもらい先生の知り合いの家庭教師を直接依頼されることもありました。(当時、家庭教師は協会経由だと搾取されるバイトの典型だったので。)

今でも笑い話として語り継がれているのだが、卒論の提出時に私は帯状疱疹(水疱瘡。相当当時は繊細で弱っていたんだと思う。)を患ってしまっており、提出順とレビュー順序が逆転してしまったことを女性だから優遇されたと同級生が思っていたということもありました。

なので女性であることとそこに紐づくアンフェアな処遇(優遇だけではないので、処遇とあえて書く)に関しては、小娘ながらに体感的に悟り始めたのだと思う。

どの本に出てきたフレーズだったか思い出せないんだけど、新井素子の星へ行く船シリーズで麻子さんというキャラクターが主人公に言うセリフがあって「あたし、お茶くみのプロなの」っていうサイドストーリーが表現していた女性ならではとか女性だからこそできることを極めたいっていう話が結構好きで、どうせなくすことなどできない性差なんだから自分にしかできないことをやろうという考えになってきたのでした。

とはいえ、女性カテゴリでひとくくりにされるのはやはり好きではないです。色々矛盾してる?というわけではなくて、ここは許容できるけどここは出来ないというものです。

本書にもあるのだけど、美人とか女性とかっていうタグ付けによってまじめにやっている人が積み重ねてきたものが無駄になる効果というものはやはりあると思います。

仕事に性別なんて関係ないと理性では思っていても、世の中に性差をうまく利用して媚て甘えることで便宜を享受する存在が蔓延る限りは、まじめにやって積み重ねてきている方が正当に評価されづらいというサイクルは消えてなくならないでしょう。

本書は拗らせてた私にとって、読み返したいとは思わないが一度は読んでおきたかった本という感じでした。

 

一応、リンクはってっておきます。

女子をこじらせて

http://amzn.to/2pGS8b4

【書評】Windows コンテナー技術入門

書評と言う名の読書感想文シリーズです。

日本の IT 業界を牽引するトール界の重鎮である、真壁さんの著書です。

Kindle の白黒表紙で見ると、醤油のボトルに見えることから醤油本という異名もついている書籍です。

技術は日進月歩ですが、書籍はそのスナップショットダンプとしてかなり有益なものであると言えます。本書もそのスナップショットダンプとして、執筆時の Windows をとりまくコンテナー技術をわかりやすいスクリーンショットを交えて紹介している入門書です。

コンテナーという概念と、メリットデメリットは常に開発者、運用者、インフラエンジニア(この場合は環境を準備する側という位置づけ)議論され続けている内容です。更に一般に出ている書籍の大半は Linux のコンテナーに関する内容が主になっており、Windows コンテナーにスポットライトが当たっている本書はきわめて珍しい書籍とも言えます。

執筆時と書いているのは、当時の最新版である Visual Studio 2015 は現在では既にサブスクリプションを所持している方のみダウングレードで入手可能だったりするので、個人で検証環境をという方には違いをどこかで乗り越えてもらう必要があります。

この類の日進月歩でエンハンスが続いている技術書籍は出版された時点で鮮度がどんどん落ちていきます。

できるだけ早いうちに手にとってご一読されることをお薦めいたします。

 

ちなみに、、、購入される場合は下記リンクを使ってくれてもよいのよ?(と書いておく)

http://amzn.to/2piV3pT

 

参考リンク

旧バージョンの利用 過去のバージョンの Visual Studio を利用するには

https://www.microsoft.com/ja-jp/dev/2012/product/downgrade.aspx

【書評】実践CSIRT 現場で使えるセキュリティ事故対応

書評と言う名の読書感想文シリーズです。

こちらの本は、友人が共同執筆していた関係で、ずっと積んでた本。でも、最近、ふとした時にセキュリティ観点でのログ管理の話を仕事でするようになって、そのセキュリティってそもそもどういうのがユーザー企業の情報管理部門として必要なんだっけという議論をしたときに知らないこと多すぎだと思い積んでたリストから今すぐ読むリストに移行したという本です。

この本で解説しているいろいろなこと、すべての企業でできているとは言いがたい内容ですが、理想からいうとできたほうがよい内容なので、目を通しておくといいと思います。

そして、こういう技術が得意な友人がいてよかった。と改めて思いました。