【書評】キスの先までサクサク書ける! 乙女系ノベル創作講座 (ジュエルブックス)


誤解されそうなんであらかじめ書いておくと、お恥ずかしながら私は乙女系ノベルというジャンルを知らなかった。先日、TechPub というイベントの折、最近寄稿させていただいているシェルマガことシェルスクリプトマガジンの編集さんが携わったということで興味津々でお借りして読んだだけなんだ。決してそういうジャンルの小説が書きたいと思ったわけじゃない。ということだけ断っておく。(言い訳がましいし、動揺がうかがい知れる)

小説のジャンルならSFでも日本文学でも好きだが、結構読んでいる本はいろいろなジャンルに富んでいる…と思っていたが、このジャンルは全くノーマークでした。更に言うと私はハーレクインも官能小説もなぜあれらがコンスタントに売れるのか理解できていなかった。

特にハーレクインは毎月新刊を予約している人までいたので、中に何が書かれているのかどうしてペーパーバックの普通の文庫や新書とは異なる装丁だったのか全く理解できなかった。

 

それにしても、私が書店員だった学生時代はかろうじてラノベやBLが新しいジャンルとして登場してきていたところだったのだけど、このジャンルはおそらく存在しなかったものでかなり新しいものにあたる。

本書は読み進みやすい分析モデルとなっており、いかに下記の要点で書けばよいのかというのを売れるものをつくるということを生業としている編集の目線で描かれている。

・ストーリーのプロットを組み立てるか

・盛り上がりをどこに持ってくるか

・前提条件をどうするか

・(言及しづらい)アダルトな部分をどう描写するか

 

これらをとってみても、本書が乙女系ノベルのみならず’売るための’商用書籍全般に言えることが描かれている。

要するに買う人が知りたいことを知りたい演出でということなのだが、それが一番難しいということは言うまでもない。

と、難しいこと書いてしまったが、本書はためになる内容が多数含まれているので、一読の価値があるといえる。

 

そして、後半は宣伝。

そんな私が寄稿しているシェルスクリプトマガジンの最新号が発売されました。今回はWSL ではなく SQL Server 2017 on Linux の話をゆるふわに書いています。

ご興味があればぜひ。

【書評】女子をこじらせて

書評という名の読書感想文シリーズです。

あれだけ、いろんなものを拗らせてる私だったのに、実は大元になっているこの書籍読んだことなかったんですよ。それは本書の装丁による偏見からくるもので、通勤の途中に持ち歩けるようなデザインではないと思っていたからなのだけど、電子書籍とはとても便利なアイテムで表紙なんかお構いなしに携帯やPCで好きな本を好きなだけ読むことができるのですって何を今更な内容を書いておきます。

著者の雨宮まみさんはもう他界されていて、どんなに頑張っても直接お目にかかって著書に書かれていることの真相や裏側のことを聞くことはもうできないのだが言わせてほしい。幼少期から思春期、大人になってからもあれだけ狂気ともいえる文章で表現するほどに拗らせてる割に画像検索で見る近影は美しい方で正直驚きました。特定の記述の箇所は本気で目をそむけたくなる読み飛ばしたくなるぐらいの狂気に近い叫びが含まれていて、回顧録的な状況でそれを搾りだして書き連ねた著者もかなりいろんなものを削ってるんじゃないかと推測しました。

正直なところ、あたしの拗らせているものなんて著者ほど思い詰めているものではないし、自分で乗り越えられないほどの深刻な何かというわけでもない。

それを悟るきっかけになったのが本書だと思う。

 

これを読むきっかけになったのは、最近知人の叫びで仕事に性別なんて関係ないじゃないという内容があって、自分でも思うことがあったからです。

仕事に性別からなんで女子をこじらせてになるのかというのは私の頭の中のリンクポインタの挙動が想像つかないレベルなのが起因だったりします。

自分の回顧録になるけど、女性を全面的に出した媚が嫌いになったきっかけは、小学3年生ぐらいの頃に終わりの会の当番だったMちゃんの間違いを指摘したら泣かれてしまったことだったりします。間違ったMちゃんが泣き出したことにより、間違いを指摘したあたしが悪者になるという構図でその後の人生に於いて数回経験している自己正当性を涙で訴える女というものの片鱗をはじめて経験した出来事でした。

本書では著者がこのような媚を活用できる性格ではないことで苦しみもがいている姿があり共感できましたが、理解できない内容もいくつかあり面白かったです。

性差なく比較的平等に扱われるのはいいとこ中高生までじゃないかと私は思っています。

大学では私は女性が少ない学部にいたので、女であるだけで目立つ存在であることに慣れてしまっていました。女性の多い学校の出身者にわかるように説明すると、学科の授業のほぼすべてにおいて女性の学生は個として認識されており、代返はおろか下手すると家庭事情(出身地や自宅生かどうか、部活やバイト、私の場合は実家から徒歩で通える学校だったので母親との買い物時にインスタントコーヒー銘柄で会話したこと)までいろんな人に知られているのですよ。

逆に便宜をはかってもらい先生の知り合いの家庭教師を直接依頼されることもありました。(当時、家庭教師は協会経由だと搾取されるバイトの典型だったので。)

今でも笑い話として語り継がれているのだが、卒論の提出時に私は帯状疱疹(水疱瘡。相当当時は繊細で弱っていたんだと思う。)を患ってしまっており、提出順とレビュー順序が逆転してしまったことを女性だから優遇されたと同級生が思っていたということもありました。

なので女性であることとそこに紐づくアンフェアな処遇(優遇だけではないので、処遇とあえて書く)に関しては、小娘ながらに体感的に悟り始めたのだと思う。

どの本に出てきたフレーズだったか思い出せないんだけど、新井素子の星へ行く船シリーズで麻子さんというキャラクターが主人公に言うセリフがあって「あたし、お茶くみのプロなの」っていうサイドストーリーが表現していた女性ならではとか女性だからこそできることを極めたいっていう話が結構好きで、どうせなくすことなどできない性差なんだから自分にしかできないことをやろうという考えになってきたのでした。

とはいえ、女性カテゴリでひとくくりにされるのはやはり好きではないです。色々矛盾してる?というわけではなくて、ここは許容できるけどここは出来ないというものです。

本書にもあるのだけど、美人とか女性とかっていうタグ付けによってまじめにやっている人が積み重ねてきたものが無駄になる効果というものはやはりあると思います。

仕事に性別なんて関係ないと理性では思っていても、世の中に性差をうまく利用して媚て甘えることで便宜を享受する存在が蔓延る限りは、まじめにやって積み重ねてきている方が正当に評価されづらいというサイクルは消えてなくならないでしょう。

本書は拗らせてた私にとって、読み返したいとは思わないが一度は読んでおきたかった本という感じでした。

 

一応、リンクはってっておきます。

女子をこじらせて

http://amzn.to/2pGS8b4

【書評】Windows コンテナー技術入門

書評と言う名の読書感想文シリーズです。

日本の IT 業界を牽引するトール界の重鎮である、真壁さんの著書です。

Kindle の白黒表紙で見ると、醤油のボトルに見えることから醤油本という異名もついている書籍です。

技術は日進月歩ですが、書籍はそのスナップショットダンプとしてかなり有益なものであると言えます。本書もそのスナップショットダンプとして、執筆時の Windows をとりまくコンテナー技術をわかりやすいスクリーンショットを交えて紹介している入門書です。

コンテナーという概念と、メリットデメリットは常に開発者、運用者、インフラエンジニア(この場合は環境を準備する側という位置づけ)議論され続けている内容です。更に一般に出ている書籍の大半は Linux のコンテナーに関する内容が主になっており、Windows コンテナーにスポットライトが当たっている本書はきわめて珍しい書籍とも言えます。

執筆時と書いているのは、当時の最新版である Visual Studio 2015 は現在では既にサブスクリプションを所持している方のみダウングレードで入手可能だったりするので、個人で検証環境をという方には違いをどこかで乗り越えてもらう必要があります。

この類の日進月歩でエンハンスが続いている技術書籍は出版された時点で鮮度がどんどん落ちていきます。

できるだけ早いうちに手にとってご一読されることをお薦めいたします。

 

ちなみに、、、購入される場合は下記リンクを使ってくれてもよいのよ?(と書いておく)

http://amzn.to/2piV3pT

 

参考リンク

旧バージョンの利用 過去のバージョンの Visual Studio を利用するには

https://www.microsoft.com/ja-jp/dev/2012/product/downgrade.aspx

【書評】実践CSIRT 現場で使えるセキュリティ事故対応

書評と言う名の読書感想文シリーズです。

こちらの本は、友人が共同執筆していた関係で、ずっと積んでた本。でも、最近、ふとした時にセキュリティ観点でのログ管理の話を仕事でするようになって、そのセキュリティってそもそもどういうのがユーザー企業の情報管理部門として必要なんだっけという議論をしたときに知らないこと多すぎだと思い積んでたリストから今すぐ読むリストに移行したという本です。

この本で解説しているいろいろなこと、すべての企業でできているとは言いがたい内容ですが、理想からいうとできたほうがよい内容なので、目を通しておくといいと思います。

そして、こういう技術が得意な友人がいてよかった。と改めて思いました。

【書評】オトナ女子のための食べ方図鑑 – 食事10割で体脂肪を燃やす – (美人開花シリーズ)

書評という名の読書感想文シリーズです。私は人より少しカーヴィなので、痩せたら美人なのにとかもっとかわいいのに的なことをかれこれ10年以上言われ続けています。更に、現職では写真に写る機会もかなり増え、コレジャナイっていう酷い写真が出回って残念な気分になることもよくあります。男女平等とかいう割に外見で人を判断する文化が蔓延っていて面倒くさいなとか思う反面、健康を考えるともう少し体脂肪は落としたいとも考えています。

実際のところ筋肉もあるし、骨太で骨密度も平均以上あるので、痩せてて体脂肪率が実は…っていう女性よりは遥かに健康的だったりしますが、前述のとおり見かけ上のサイズってある程度重要なのかなとも思っています。

それでこの本を手に取ったわけですが、こちら有名なトレーナーの森拓郎さんの著書です。どこかで、この本の図鑑に出てくる〇〇女子(間違ったヘルシーを心棒するちょっと滑稽で、よくいる感じの女性)を取り上げているのを見て全体的に見たいな~と思ったのがきっかけです。

内容は、代謝をあげるための食べ物の選び方と、間違いだらけの食べ物の選び方に鋭いメスが入っておりするすると内容が入ってきます。そして、挿絵に登場する間違いだらけの〇〇女子を見ながら、「いるよねーこういう女」と思って知識を入れていくのが楽しい本です。

Tarzan とか普段読んでる私でも、ちょっと違うなっていう認識があったのでこの内容に従ってしばらく食べ方変えてみようと思いました。実は、1週間くらいやってみたら、落ちなかった体重が1.7kg ほど減ってまして。水分かもしれないけど効果あるかも?!と思い始めてます。

 

オトナ女子のための食べ方図鑑 – 食事10割で体脂肪を燃やす – (美人開花シリーズ) おすすめの1冊です。

引き続き健康維持をがんばっていこうと思います。

【書評】認められたい

書評という名の読書感想文シリーズです。この書籍、お目にかかったことはないので一方的に存じ上げている外資系OLのぐだぐだ(現在、トイアンナのぐだぐだ)で有名なトイアンナ女史がツイッターでご紹介されていたのが通勤途中の書店で気になって手に取り立ち読みしたら著者の熊代さんも石川県出身ってことで即お買い上げしてしまった本です。

はっきりいってタイトルと表紙が内容の良さをダメにしている本の代表格かと

承認要求について、専門家がきちんと書いている内容なのですが、この表紙とタイトルだとまるで私が承認要求の権化で認められたくてたまらないから本で勉強しているように見えて持ち歩いて読むにあたってちょっと恥ずかしかったです。うまいイラストではあるのですが、少し寂し気で不満げな表情の男女の真ん中に大きなフォントで認められたいって書かれると…なぁ。できればもう少しタイトルと装丁を専門書らしく考慮してほしかったです。

 

例えばこんな経験ありませんか?

私の裏側での貢献で何をしても評価しようとしなかった人が、同僚の人が大したことというか、プロジェクトに名前が載っていたという程度のことしかしていないのに(ほかの人の助けで)目立つことをやって「すごーい!応援してます」ってのをやっていて、嫉妬とかより先に気持ち悪さしか覚えなかったこととか。

当時のことを俯瞰すると、私を評価しなかった人達から唐突に「あなたは、ほめてほしいのよね」っていう気持ち悪い言い方をされたことがあって、違う、それは「ほめてほしい」っていうよりはどちらかというと、「やってることを平等に認めてほしい」ってことだったので、今思えば私は承認要求を拗らせていたのかもしれません。

 

そもそもなんでこの本読もうと思ったかというと、現職のロールのせいなのか社風なのかわからないのですが、前職時代どう逆立ちしても聞かなかった言葉としてアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)という言葉以上に承認要求ということばをよく耳にしまして、更に周囲にいるいろいろな人が日常的に SNS でモるのを生暖かく俯瞰していてなんだかなって思っていたのを心理的にもきちんと理解して自分にもゼロじゃない承認要求とうまくつきあいたいなと思ったからです。

 

確かに SNS って便利で、たとえば4日間のイベントに5分しか顔を出さなくても、かわいらしい自撮り画像や集合写真と共に「最後にみんなで記念撮影!」とか書くとずっとその対応していたかのように盛ることができてしまうわけです。そういう虚飾をいろいろな人が繰り返すのを何度も見てきて、正直なんでこの人たちはこんなに常に自分を盛ることで「どや!すごいだろ!」ばかりやるのかな?実際会えば、よっぽど見る目が無い人以外にはどの部分を盛っているのかぐらいすぐにわかるのに…って思ってきました。そして、その中には会社の中での出来事やインターナルな情報をどうして「所属する団体とは関係のない個人の発言」でいろいろと公にしちゃうのかな、とか会社の中で写真撮るときほかにだれか映ってないかとか確認してから SNS にあげないのかなとか「炎上したら個人の発言でも会社に泣きつくのなんでかな」とかいろいろと生暖かい気持ちになったことがあります。

キャバ嬢さしすせそもしくはけものフレンズ並みの語彙力で、自分に対しての高評価だけをエゴサーチして何度も周囲に目の届くように持っていく形でいつの間にか、自己承認要求を常に満たすことも可能です。この本には炎上を繰り返す人についても記載があり、心当たりのある出来事ばかりだなと思いました。その反面、そういう人たちとうまくやるには常に「すごーい!すごいねー!」と一定の語彙力で承認行為を繰り返していればいいのかなということも本の内容からつかむことができました。嘘は苦手なので、これから偽りの承認行為をうまくできるように修行したいと思います。

 

この本のとてもいいことは、誰にでも程度の違いはあれ存在する自己承認要求とどのようにつきあっていったらよいのかということについて、実際の患者の症例を元にわかりやすい文章で説明されているところです。できることならば、現在、承認要求を拗らせているすべての人たちに読んでもらいたいそんな書籍でした。

 

恐らくこのブログ記事をご覧になった、心当たりのあると思われる方からフィードバックを受けましたが、正直具体性がなく誰のこととも書いていない、批判もリークもしていない内容で一喜一憂しないでいてほしいです。心当たりがあるのであれば、是正していけばいいだけではないでしょうか。読書感想文にめくじら立てられたら言論の自由もなくなりますよね。

それとも、私の粗探ししてレポーティングするのが趣味の暇な方でもいらっしゃるのかしら。

【書評】アジャイルでやってみた

書評という名の読書感想文シリーズです。

こちら、お誕生日に友人から贈られた書籍なのですが、著者の方も直接存じ上げている方や1ホップでつながる方ばかりという読むのに緊張してしまう本でした。

そんな先入観はさておき、内容は前半がストーリー形式でアジャイルにはじめて取り組む開発グループのメンバーのやり取りを通してアジャイル開発とは何か、どういうところに気を付けるか、どういうところに陥りがちかということを楽しく学んでいけるものです。

この本何が素敵かというと、私が現職で触るようになって、その機能の多さからかすべてマスターしきれていなくて、いつも必要に応じて周りの人から教えてもらっている VSTS = Visual Studio Team Services の機能(知ってるものも知らないものも)の具体的な利用法も組み込まれててすごく役に立ちました。

恥ずかしげもなく書くと、入社当時はVSTS って昔の Visual Studio Source Safe の SaaS ?ぐらいにしか認識なかったんですが、何度かハッカソンやHackfest で利用するうちにこんなに便利なツールなら使わない手は無いなと思うようになりました。(当時、いろいろ勘違い酷くて、ツールチームの同僚の方には呆れられてたことだと思います。少しこそばゆい恥ずかしさありますね。)

この本にも明記されてるんですが、マイクロソフトのイメージが昔である人にこそ、このツール使ってほしいと思っています。

もちろん、OSS やフリーウェアにはそれぞれの良さがあるのですが、開発の現場で開発のリポジトリ管理やステージング管理、テスト管理のインフラ構築といったいわゆる余計なところに手を出す必要は無いのではないかと。

そんなしょうもないことで「くそっ!インフラエンジニアめ!」とは、開発者の人に絶対言われたくないですからねぇ。

さて本題にもどると、この本の後半は完全にリファレンスになっています。VSTS は SaaS なので UI とか少しは変わってるかもしれませんが、日本語で読める解説としては武田さんの公開してるドキュメントに匹敵するクオリティで、書籍だから職場の図書費として清算しやすいのもメリットのひとつかもしれません。

開発の現場に1冊は置いておいたらいいんじゃないかなと思いました。(その前に VSTS 使ってねってのが先ですが…)